アメリカに赴任や移住する場合に住居選びはとても大切。特に仕事で赴任する場合、決まってからはその他にもやることがたくさんあって時間をかけられないのが現実。日本との違いや家探しから契約までのポイントや役立つ情報を提供したいと思います。
日本との違い
まず、アメリカで賃貸住宅を契約する前に日本との違いをざっくりと知っておくことが重要だと思いますので以下に簡単にまとめます。
住宅の種類が違う
日本だと一軒家、マンション、アパートといった分類ですが、アメリカでは以下のような分類。
アパート
日本でいうマンションがこれにあたる。英語でマンションはお城のような大豪邸。地域によりますが大都市以外では高層マンションのようなものはあまりない。せいぜい数階建てのもので、敷地内に中庭、プレイグランド、プール、スポーツジム、などがついたものが多い。
メリット:設備が充実、セキュリティが良い、期間など契約に自由度がある、オーナーの都合で突然退去させられることはない(法人と契約の場合)
デメリット:小さい子供がいると騒音で気を遣うケースが多い(床、壁が薄い場合(アメリカは木造が多いです))、一軒家と比較すると狭い、バックヤードがない
タウンハウス
2軒以上がつながったような長屋になっていて、2階建てもしくは3階建てで小さなバックヤードがついているような家。アパートと同じように施設がついた集合住宅になっているものある。
メリット:間取りが広いものも多い、比較的新しい物件が選べる、アパートのような共用施設があるところも。小さいバックヤードもある。
デメリット:アパートと同様騒音は気になるケースがある。3階建てだと移動が大変。
一軒家
こちらは日本と同じでまさに一軒家。郊外だとたいていはフロントヤード、2台以上車がおけるガレージ、バックヤード(もしくはプール)などがついた平屋か2階建ての家が多い。
メリット:広く独立性もあるので周りが気にならない。バックヤードや場合によってはプールなどもあって友人を呼んバーベキューやパーティーなども可能。ガレージも広いので色んなものがおける。
デメリット:古い物件が多く、不具合が多い。オーナーとの相性次第というリスクがある。セキュリティはアパートと比較すると低い。
間取りや単位の違い
日本のように3LDK、4Kのような呼び方ではなく、寝室とユニットバスの数で呼びます。例えば、寝室が3つでユニットバスが2つの場合は以下のような表記。面積も㎡ではなく、sqft(スクエアフィート)、0.093をかけると㎡になる。以下のケースだと、150㎡です。
契約はオーナーと直接、オーナーに有利な場合が多い
アメリカでは特に一軒家の場合だとオーナーと直接契約するケースが多い。その契約もオーナーに有利な契約となる場合が多い。例えば、1年ごとに契約更新で値上げ交渉をおこなってきたり、退去についても何日前に通知すれば可能など。
洗濯機、冷蔵庫がついているケースが多い
一軒家でもアパートでも洗濯機や冷蔵庫はついているケースが多い。オーナーによりますがアメリカはそれらの家電を治して長く使う傾向があるので最新のものはあまり期待できません。いまだに真ん中に棒のついた洗濯機を使っているケースも多い。どうしても自分で購入したものを使いたい場合はオーナーとの交渉。
故障や不具合が多い、DIYが好き
特に一軒家は築年数が古いものが多いので色んなところで故障したる不具合があったり。日本と同じレベルを求めるのはNG。水回り、備え付けの家電、ドア、ガレージ、給湯器、等モグラたたきのように問題が起こる。こちらの人はDIYが好きなので、まずは自分で治そうとします。
問題が起きたらオーナーに連絡してみてもらい、自分で治せないようなら業者にお願いするとうパターンが多い。共有施設のついたアパートやタウンハウスだとそういった面倒はない。
不動産情報はオープン
不動産サイトを見ると過去の賃貸価格や周辺で空いている家、学校のレイティングなどネット経由で情報は取りやすい。地域の犯罪履歴なども確認可能。
情報収集
不動産を探すのに役立つサイトの中で代表的なもので赴任前や米国内での引っ越しの際に使えそうなものは以下。
Zillow
Zillowは探したい地域の不動産情報が得られます。都市名、ZIPコード(郵便番号)などを入れてあとは条件指定。相場との比較や過去の履歴、学区内の学校のレイティングを10段階で見られます。
アメリカでは学区のレベルと治安は比例していることが多いので特に大事なポイント。
Craiglist
Craiglistは情報共有の掲示板のようなもので、不動産や不用品の個人売買やレンタルなどの情報交換するサイト。
こちらも自分の条件を入力して気になったものがあればテキストやメールでオーナーとやり取りする。クレイグリストにしか載ってないような掘り出し物の物件があったりするので、Zillowなどである程度地域を絞りこんだあとは、こちらも併用して物件を探すのが良い。
SpotCrime
SpotCrimeは住む地域の治安を事前に調べるのに利用。ZIPコードや住所を入れると周辺の犯罪履歴が確認できる。
家探し、内覧
まず自分で探すのか不動産業者に依頼するのかを考えます。依頼すると当然手数料がかかりますが赴任したばかりで忙しい場合はメリットもある。
不動産業者に依頼
日系の不動産業者が近くにあれば希望を言って探してもらうことが可能。契約自体はオーナーと直接行うのであくまでも探すお手伝いをしてくれるということ。オープンハウスの状況を確認してアポイントを取って同行してくれる。契約も一緒に読んでくれるというもの。手数料は家賃の1カ月分程度。
慣れていれば自分でもできるが赴任して立ち上げが忙しく右も左もわからないような状況の場合はお願いするのもいいかも。自分で探してきた物件を指定してお願いするのも良いと思います。
自分で探する場合
最初から自分で探すパターン。赴任中に引っ越しをする場合は手数料がかからないので慣れている場合は自分で探す方がお得。
ZillowやCraiglistからお目当ての物件を探してアクセスする。メールかテキストなどで興味があるからオープンハウスの日時を教えてほしいことを伝えてアポイントをとって見に行く。
気に入れば申し込みをして複数の申し込みがあればオーナーがその中から選ぶというケースが多い。
アパートやタウンハウスのような集合住宅で個人所有でないものの場合は敷地内にリーシングオフィスがあってそこで手続きをする。
個人にしても、法人にしても日本と比較するとこちらからはっきり条件を伝えることは重要。予算があるのならはっきり言った方が良い。日本より対応はあっさりしている。
契約
契約に必要なもの
ソーシャルセキュリティー(SSN)や雇用証明書、給与明細、銀行残高、ビザなどは必ず求められるので準備が必要。赴任して最初に借りる場合はそれまでにSSNや銀行口座開設など準備しておく必要があります。
また、日本でいう敷金にあたるセキュリティーデポジットも家賃の1カ月分~2カ月分程度必要。また、オープンハウスなどで申し込みが多く競合した場合は、クレジットヒストリーで比較されることもあるので注意が必要。
契約時に注意するべき点
個人所有の物件の場合、オーナーとの相性は大事。例えば、日本人は家をきれいに使う、静かに暮らすという印象があり、日本人だから貸したいというオーナーも一定数いる。そういう人にあたるととてもラッキー、相手も日本人に慣れているのでコミュニケーションがとりやすい。
気になる点などは契約時にうまく交渉したいところ。汚れが気になるところや家電製品や水回りなど出来るだけ一緒にチェックして気になるところはハッキリ言う方が後々問題になりにくい。
退去の条件や契約年数などについては注意しておく必要がある。長くすると家賃交渉上は有利になるケースはあるがその分退去条件が厳しくなるなど。赴任者の場合は会社のサポートなどと見合わせてより良い条件で交渉する必要がある。
家賃以外の費用負担なども確認が必要。家によっては光熱費が家賃に含まれているところもある。一軒家の場合はガーデニングやプールの掃除などの時間帯なども。
まとめ
日本との違いはある程度おさえておくと比較的スムーズに家探しが出来ると思います。赴任前の方は準備で忙しいとは思いますが渡米前に少し情報収集してある程度エリアを絞っておくと良いかと思います。
勤務地からの距離、治安、学区、家賃、間取り、などいろいろと選ぶ条件はあると思いますが、それ以外では、周辺に日本人が多いのか少ないのかなども意外と重要な要素。
日本人が多い方が良いのか、あえて少ない方が多いのかなどそれぞれメリット、デメリットがあると思います。アパートやタウンハウスによっては日本人に人気が高い場所もあり学区内にそういうところがあると学校の日本人の比率も高くなります。
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