苦くないジューシーなニューイングランドスタイルの「ヘイジーIPA」

クラフトビール

アメリカで最近人気の新しいスタイルの「ヘイジーIPA」。
大手ブリュワリーで日本でも入手可能なものから本場でしか味わえないものまで、その特徴とオススメの銘柄を紹介。

ヘイジーIPAとは?

そもそもヘイジーIPAとは何なのか?その名の通り濁った(Hazy=ヘイジー)IPA


もともとはアメリカの東海岸ニューイングランドにあるバーモント州が発祥だといわれています。後ほど紹介する、アルケミスト社のヘディトッパーというダブルIPA(またはインペリアルIPA)が起源と言われています。


そのため、「ニューイングランドIPA」と呼ばれたり、「NEIPA」と略されたりすることも。その他にも味わいの特徴から「ジューシーIPA」、製造工程から「アンフィルダード(無濾過)IPA」など、バーやタップルームなどの場所よっていろいろな呼ばれ方がある。

通常のIPAと比較して約4倍のホップを使うことにより独特の濁りやトロっとした滑らかな舌ざわり。

シトラスやフルーツの香りが楽しめる。一方でドライホッピング製法により苦みは抑えられるというのが特徴。

香りとコクを両立させるためにはある程度のアルコール度数が必要なためアルコールは6~8%程度のものが多く比較的高め。苦みの指標であるIBUは一般的なIPAに対して低いものが多い。

アメリカではホップも品種改良が進んでいて様々なものがあるが、ヘイジーIPAに使われるののは、シトラス、グレープフルーツなどの香りやフレーバーを感じさせるものが多く使われている。

造られてから数週間以内に飲むのが良いと言われるが時間の変化とともに変わる味わいを楽しむという方法もある。

お勧めの銘柄

数多くあるヘイジーIPAの中で、まずは日本でも比較的入手しやすく人気の高いものを紹介。

シエラネバダ(Sierra Nevada)ヘイジー・リトル・シング(Hazy Little Thing)

Source Sierra Nevada Brewing

日本でも人気のあるカリフォルニアを代表する醸造所のシエラネバダ。

緑色のラベルが特徴のペールエールが定番ですが最近ではこちらのヘイジーIPAも良く見かけます。

ABV6.7%、IBU35、ジューシーでシルキーなホップ。ろ過を少なくすることでフルーツのフレーバーと穏やかでスムースな飲み口にしている。

アメリカで人気のUntappedでもブログ掲載時点で30万件弱のレイティングで3.79と高い評価。

ストーン(Stone)タンジェリン・エクスプレス・ヘイジーIPA(Tangerine Express Hazy IPA)

Source Stone Brewing

カリフォルニアの南端サンディエゴにある人気の蒸留所。

ABV6.7%、IBU75、こちらのヘイジーIPAはタンジェリンとパイナップルのピューレを直接入れるというという独特の作り方をしてポッピーさと柑橘系のフルーティーさを両立するさわやかなで苦みのある味わい

同社ではこちら以外にも苦みとアルコールを抑えたヘイジーIPAやよりシンプルなヘイジーIPAなど種類が豊富。Untappedでもブログ掲載時点で24万件強のレイティングで3.69と高い評価。

バラストポイント(Ballast Point)アロハ・スカルピン・ヘイジー(Aloha Sculpin Hazy)

Source Ballast Point

バラストポイントもストーン同様いサンディエゴにあるIPAのパイオニア的な醸造所。特にダブルIPAのスカルピンは有名。

コストコなどでも他のIPAより少し高く販売されている流通量の多いIPAの中では少しプレミアム感があるブランド。ABV7%、IBU60、スカルピンの特徴(さすような刺激)をキープしつつトロピカルなフレーバーに。

フルーツは加えずホップによってパイナップルやグアバのフレーバーを出している。Untappedでもブログ掲載時点で8万件弱のレイティングで3.77と高い評価。

その他の大手ブリュワリーのヘイジーIPA

その他比較的流通量の多く有名の醸造所では、ファイヤストン・ウォーカー(Firestone Walker)/マインド・ヘイズ(Mind Haze) 、ラグニタス(Lagunitas)/ヘイズ・ワンダー(Haze Wonder)、 アンカー・ブリューイングAnchor BrewigヘイジーIPA(Hazy IPA) など。日本の大手ビールメーカー傘下のものもあり、これらも比較的入手しやすいのではないでしょうか。

Source Fatherly.com

入手難でマニアにも人気の銘柄

最後に、日本ではなかなか入手できないマニアにも人気の銘柄を3つ紹介します。旅行に行ったときなどに飲んでみるのはどうでしょうか。

ロシアンリバー(Russian River Brewing)マインド・サーカス(Mind Circus)

Source Russian River Brewing

ワインで有名な地域にある大人気の蒸留所。週末になると朝から行列ができるほど。

こちらも定番のIPAが人気だが、ヘイジーIPAのこちらマインド・サーカスも人気。ブドウの葉、パイナップルやマンゴーのフレーバーとマイルドな苦みが特徴。

鮮度管理の問題からカリフォルニア外での入手は難しいですが本当においしいビールです。7%ABV、Untappedレイティング4.06

ヘディトッパー(Heady Topper)アルケミスト(The Alchemist)

Source Heady Topper

元祖であり最も評価の高いヘイジーIPA(ダブル(インペリアル)IPAとカテゴリーされることもある)のひとつ

流通が限られているため今でもクラフトビールファンの憧れの一つとして高く評価されているビール。

2004年頃からリリースされていたが本格的に人気になったのは2010年以降、ヘディトッパーの人気もあり、2016年頃から全米でヘイジーIPAが広まったといっても良い。

缶での販売にこだわりがあり、缶の中の二酸化炭素の層がテポップなどの複雑なエッセンスを保存している。マンゴーなどのトロピカルフルーツ、オレンジ、ドライポップのさわやかな香りが楽しめる。ABV8%、IBU100、Untappedは25万以上のレイティングで4.54

ツリー・ハウス(Tree House Brewing)ヘイズ(Haze)

Source Tree House Brewing

最後に、こちらも非常に人気の高い醸造所で見た目の通り非常に濃い色合いが特徴でジュースのようなヘイジーIPA、ABV8.2%、IBU90、Untappedは10万以上のレイティングで4.48とかなりの人気と高い評価だがマサチューセッツにある醸造所でしか購入出来ないのが残念。

まとめ

メーカー特徴評価
シエラネバダフルーティ飲みやすい3.69、89
ストーンフルーティと苦みのバランス3.79、89
バラストポイント鋭い味にトロピカルフレーバー3.77、88
ロシアンリバー複雑でマイルドな味わい4.06、92
アルケミスト複雑、トロピカル、苦み4.55、100
ツリー・ハウスジューシー4.48、100
※評価は左がUntaped、右がBA(Beer Advocate)
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