アメリカのクラフトビールの定番「アメリカンIPA」についてその特徴と代表的な銘柄を紹介します。
アメリカンIPAの特徴
アメリカンIPAはアメリカで最も人気のあるクラフトビールのスタイルのひとつ、その歴史はまだ40年あまりしかなく、その始まりは1970年後半。アメリカ産の多種多様なホップを使って従来からある英国のIPA(イングリッシュIPA)に柑橘系、フルーティーなアロマとフレーバーを追加したもの。
【外観の特徴】
黄金色から淡い銅色、透明度はクリアからわずかな濁り(ヘイズ)
【フレーバー(味わい)／アロマ(香り)】
フローラル、フルーティ(ベリー、トロピカル、核果など)、シトラス、パイニー(松の香り)、レジン(樹脂)、硫黄などホップのフレーバーとアロマ、イングリッシュIPAより風味豊かで芳香がある。苦みは中～高いレベル。
【定量データ(参考値)】
ABV(アルコール度数)：6.3～7.6%、IBU(苦み)：50～70、SRM(色の濃さ)：6～14
【飲み方】
チューリップ型もしくはノニック型グラス、温度13～15℃
おすすめの銘柄
スカルピン(Sculpin)／バラストポイントブリューイング(Ballast Point Brewing)
サンディエゴにある西海岸のIPAのパイオニア的な存在、スカルピンは非常に人気のあるIPA、何年にもわたる実験の結果、5つの異なるステージでエールをホッピングすることで特別なものが生まれることを発見、アプリコット、ピーチ、マンゴー、レモンのフレーバー。
ABV7.0%、IBU70、BA(Beer Advocate):98, Untapped:3.96
グレープフルーツスカルピン(Grapefruit Sculpin)／バラストポイントブリューイング(Ballast Point Brewing)
スカルピンにグレープフルーツのフレーバーがIPAの柑橘系ホップの特徴を補完。定番のスカルピンとともに人気の銘柄。
ABV7.0%、IBU70、BA(Beer Advocate):96, Untapped:3.96
ストーンIPA(Stone IPA)／ストーンブリューイング(Stone Brewing)
サンディエゴにあるストーンブリューイングでもっとの人気のある西海岸を象徴するIPA。97年発売、アメリカで最も売れているIPAのひとつ。黄金色、トロピカル、柑橘系、パイニーホップのフレーバーとアロマ、微妙なモルトとの完璧なバランス。ミディアムボディですっきりした余韻のある苦み。
ABV6.9%、IBU71、BA(Beer Advocate):94, Untapped:3.77
ブラインドピッグ(Blind Pig)／ロシアンリバー・ブリューイング(Russian River Brewing)
カリフォルニアのソノマカウンティにある蒸留所。柑橘類、パイン(松)、フルーティーなノートの詰まったフルボディでホッピーなアメリカンIPAで中程度の苦み。カリフォルニア外では入手難だが非常に人気が高い。
ABV6.25%、IBU70、BA(Beer Advocate):97, Untapped:4.51
ネルソン(Nelson)／アルパイン(Alpine Beer Company)
サンディエゴ郊外の山の麓の小さな醸造所。かすんだ麦わら色のエール、明るい白の泡で覆われた外観。トロピカルフルーツのアロマ、パイン(松)とフルーティーなホップのノートは残るが、ライ麦モルトの追加によって滑らかでバランスがとれた味わい。多面的でまろやかなIPA。
ABV7.0%、IBU40、BA(Beer Advocate):98, Untapped:4.07
ツゥーハーテッドエール(Two Hearted Ale)／ベルブリュワリー(Bell’s Brewery)
ミシガン州にある醸造所100%センテニアルホップ、パイニーやグレープフルーツの香り、モルトとの完璧にバランスが取れておりフルーティーなアロマとの組み合わせで非常に飲みやすい。
AHA(American Homebrewers Association) の発行するZymurgy誌で4年連続最高の栄誉を獲得。
ABV7.0%、IBU60、BA(Beer Advocate):95, Untapped:3.95
ハイアライ(Jai Alai)／シガーシティ(Cigar City Brewing)
フロリダ州タンパの醸造所。大胆で柑橘系のバランスの取れたIPA。6種類のホップを使用。オレンジピール、クレメンタイン、ライトキャラメルのノート。
ABV7.5%、IBU65、BA(Beer Advocate):95, Untapped:3.94
ユニオンジャックIPA(Union Jack IPA)／ファイアストーンウォーカーブリューイング(Firestone Walker Brewing)
サンフランシスコとロサンゼルスの中間地点にあるパソロブレスにある醸造所の西海岸スタイルのアメリカンIPA。パイナップル、柑橘類、パイン(松)のアロマに加えて、グレープフルーツとタンジェリン(マンダリンオレンジの品種)のドライホップフレーバー、蜂蜜のような甘いモルトとのバランス。
ABV6.9%、IBU60、BA(Beer Advocate):94, Untapped:3.81
リトルサンピン(A Little Sumpin’ Sumpin’ Ale)／ラグニタス(Lagnitas Brewing)
何種類かのホップを使用することでトロピカルなフレーバー、小麦麦芽を高い割合で使用することでトロピカルホップとフローラルホップのフレーバーを調和する滑らかでシルキーな口あたり。スイカズラのフレーバーは甘さを引き立てる。
ABV7.5%、IBU64.2、BA(Beer Advocate):94, Untapped:3.79
フレッシュスクイーズIPA(Fresh Squeezed IPA)／デシューツ(Deschutes Brewery)
オレゴン州ポートランドにある醸造所。シトラスホップとモザイクホップからその風味を引き出す。活気のあるモルトとバランスの取れた柑橘系ホップのジューシーなブレンドでトロピカルなリフレッシュメント。
ABV6.4%、IBU60、BA(Beer Advocate):95, Untapped:3.92
ハーベストエール(Harvest Ale)／ファウンダーズブリューイング(Founders Brewing)
ミシガン州にある醸造所。新鮮な朝摘みのウェットホップをホップ農場から独占的に仕入れる、出来るだけ新鮮なうちに使う。パイン(松)、メロン、柑橘系の香りがあふれる、芳香の強い明るい色のIPA。
ABV7.6%、IBU70、BA(Beer Advocate):95, Untapped:3.93
IPA/オデルブリューイング(Odell Brewing)
コロラド州にある醸造所。独特の苦みのプロファイルと信じられないほどのホップの特徴をつくりだすために、芳香性の高いアメリカンホップの新種を追加した。
ABV7.0%、IBU60、BA(Beer Advocate):95, Untapped:3.85
ウエストコーストIPA(West Coast IPA)／グリーンフラッシュブリューイング(Green Flash Brewing)
サンディエゴにある醸造所。外観はオレンジから銅色、オフホワイトの泡。アロマは甘いトロピカルパッションフルーツ、グレープフルーツ、パイン(松)、フレーバーはブリティッシュクリスタルモルトのダークキャラメルのノートに支えられた強烈なグレープフルーツの皮の苦み、ドライウッディホップのノーフローラルなフィニッシュ。
ABV7.0%、IBU95、BA(Beer Advocate):94, Untapped:3.85
トーピード(Torpedo)／シエラネバダ(Sierra Nevada Brewing)
苦みを増やさずにホップの香りを高めるアイデアを形にした。アグレッシブでありながらバランスの取れたビールで、柑橘類、パイン(松)、ハーブの複雑なホップ。
ABV7.2%、IBU65、BA(Beer Advocate):93, Untapped:3.73
コメント